臨床研究「呼気含有ガスの測定を応用した細菌性肺炎の同期診断戦略」についてのお知らせ


1)研究概要(対象・目的・方法)肺炎の診断は臨床症状・身体所見に加えて、喀痰のグラム染色や培養検査に基づいて行われます。喀痰染色の適切な評価には長年の経験や優れた技術が不可欠であり、汎用的に臨床で応用されているとは言えません。細菌培養検査では菌種同定・薬剤感受性検査が実施可能ですが、結果判明までに数日を要することや、汚染と感染の区別が難しいことから、培養結果のみで肺炎の診断・治療をすることには限界があります。その他、遺伝子検査や血清抗体測定なども肺炎の診断に応用されていますが、コスト・迅速性・検査精度などの面でさらなる検討の余地があると考えられます。さらに、実臨床においては心不全・間質性肺炎など類似疾患との鑑別も重要な課題であり、ベッドサイドにおける細菌性肺炎の迅速診断方法の検討が期待されています。本研究では患者呼気をベッドサイドで非侵襲的に回収し、半導体ガスセンサを検出器に用いたガスクロマトグラフ方式の硫化物系ガス測定器(Sensor Gas Chromatograph エフアイエス株式会社)を用いて、患者呼気中のガス測定を定量的に行うことにより細菌性肺炎の迅速診断の可能性を模索するものです。確立した先行研究はありませんが、本法は資源・技術の限られた医療環境で有用である他、特に重症患者における適切な早期治療・予防改善につながる可能性を有しています。対象は20歳以上の成人で大阪大学医学部附属病院高度救命救急センターおよび集中治療部入室中の患者としております。なお、本研究は大阪大学医学部附属病院の倫理委員会により承認されております(承認番号:15062)。研究期間は2015年8月1日から2018年12月31日です。

2)研究の開示: 研究成果は、研究対象者を特定できないようにしたうにした上で、学会や学術雑誌等で公表します。

3)個人情報の取り扱い:「連結可能匿名化」を行い、個人情報を保護します。

4)研究機関名: 大阪大学医学部附属病院 高度救命救急センター・集中治療部・感染制御部

5)研究責任者: 大阪大学医学部附属病院 感染制御部 萩谷英大(助教)

6)相談窓口: 高度救命救急センター 廣瀬智也(特任助教) 高橋弘毅(医員) 集中治療部 滝本浩平(助教)

7)研究対象者に研究への参加を拒否する権利を与える方法: 本研究は、介入を必要としない観察研究であるため、症例登録のいかんにかかわらず、治療法に影響は全く及ぼしません。また、診断・治療等に必要な検査等のために採取される試料のうち、残余(医療廃棄物として処分されるもの)を使用しますので研究対象者に生じる負担やリスクはありません。症例登録をすること自体の参加の拒否については、主治医への口頭での意思表示、もしくは、電話での意思表示でお伝えいただくことができます。