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check_box大阪府てんかん地域診療
連携体制整備事業について

  • てんかんは慢性神経疾患であり小児期に発症が多い比較的頻度の高い疾患であるが、近年の社会の高齢化に伴い高齢者の患者数も増大傾向であります。我が国のてんかん医療は小児科・精神科・脳神経内科・脳神経外科など多くの診療科によって担われている一方、治療の専門性が多岐にわたり、患者さんにとっては自分のてんかんをどの医療機関で診療してもらうのが良いのかわかりにくいという状況があります。
  • このような状況から2015年度から厚生労働省は都道府県におけるてんかん支援拠点病院を指定し、地域における専門的な相談支援、医療機関や自治体との連携、てんかんに関する普及・啓発を行い、てんかん支援における地域連携体制を整備する事業を開始しました。2019年度より大阪府においても拠点病院を指定し事業を開始することとなり、大阪大学医学部附属病院が拠点病院に選ばれました。
  • 大阪府におけるてんかん専門医は50名以上と比較的多く、当院以外にも高い専門性でてんかん診療をされている施設はいくつもあります。しかしながら、施設間の横の連携や、小児から成人科へのトランジション、比較的落ち着いた患者さんを地域で診療するための1次・2次・3次への有機的な連携はまだ確立されているとは言えず、ましてや患者さんたちにとってどこの医療機関が自分に適しているのかわかりやすい状況とは言えません。
  • 従って、大阪府におけるてんかん診療のネットワークづくりを通した府内の患者さんたちへの社会貢献を目的として、本事業を展開していきたいと考えております。

背景

てんかんの患者数は、全国に約100万人。(有病率0.4~0.9%)
てんかん医療は、精神科、神経内科、脳神経外科、小児科など複数の診療科により担われてきた経緯があります。

目的

府内の専門治療機関のうち、1ヶ所を「てんかん支援拠点病院」として指定し、専門的な相談支援、他の医療機関、自治体等や患者の家族との連携・調整を図るほか、治療や相談支援等に携わる関係機関の医師等に対し、てんかんについての助言・指導や普及啓発活動を実施し、てんかんについての知見を集積することを目的としています。

事業内容

  1. てんかん患者及びその家族への専門的な相談支援及び治療
  2. 管内の医療機関等への助言・指導
  3. 関係機関(精神保健福祉センター、管内の医療機関、保健所、市町村、福祉事務所、公共職業安定所等)との連携・調整
  4. ①医療従事者に対する研修、
    ②関係機関職員、てんかん患者及びその家族等に対する研修
  5. てんかん患者及びその家族への普及啓発
  6. 協議会の運営(1回/年)
  7. 協議会で定める指標に必要な数値等の集計・整理
  8. その他てんかん対策に必要な事項
てんかん地域診療連携イメージ

てんかんをめぐる課題 ※厚生労働省資料より抜粋

  • てんかんの診療拠点機関病院の整備
  • てんかんの診療ネットワーク
  • てんかんの普及啓発(一般国民向け)
  • てんかん患者の実態把握
  • てんかん診断法・新薬の研究開発
  • 運転免許
  • 就労支援
  • 災害対応
  • 幼稚園・学校現場などでの発作対応、公教育
  • 患者の症状を教えるためのカード など