代表的な検査について

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血管造影検査

血管造影検査・IVR(Interventon radiology)とは

 血管造影検査は単純X線撮影やX線透視像では通常は視認できない血管を,カテーテルという管を目的血管内に挿入して,造影剤を投与し血管を描出する検査です.
 血管造影検査では造影剤を心拍出による血流に乗せて抹消に運び,動脈,毛細血管,静脈へ移行する循環動態を連続撮影します.血管造影の目的は,動脈疾患,腫瘍,炎症の診断,手術に際しての血管のマッピング,インターベンショナルラジオロジー(interventional radiology: IVR,画像下治療)にも利用されます.

血管造影検査・IVRの様子2 血管造影検査・IVRの様子
▲ 血管造影検査・IVRの様子

当院における血管造影検査・IVRの特徴

 当院では2台のX線平面検出器(flat panel detector : FPD)搭載の最新の血管撮影装置(血管撮影装置とCT装置が融合したIVR-CTシステム,2管球のバイプレーンシステム)を用いて,安全に検査・治療を行っております.

IVR-CT
▲  IVR-CTシステム 
Philips FD20/20
▲ バイプレーンシステム
Cryo-HIT Gas panel
            ▲ 凍結療法装置         ▲ ガス供給システム

また,当院では最新の凍結療法装置を備え,アルゴンガスを利用した最先端の凍結療法にも対応しています.

安全に対する取り組み

血管造影検査室では医師(放射線科,脳神経外科・内科),看護師,臨床工学技士,診療放射線技師及び他科と連携しチームで患者様に安全,安心な検査・治療を提供しています.

 1).被ばく低減・防護
 当院では患者さんの被ばく低減はもとより,検査スタッフの職業被ばく低減にも注力しております.合理的に達成可能な限り被ばく線量を減らして,放射線を利用して検査を行っています.この原則は,英語の頭文字から「ALARA(アララ)(as low as reasonably achievable)の原則」と呼ばれています.
 本国では診断参考レベルJapan DRLs2020で血管造影・IVRの診断参考レベル(diagnostic reference level: DRL)が提示されており,年1回の線量調査を行い,自施設のDRL測定をもとに,自施設の撮影線量を最適化し,放射線被ばく低減・防護に努めています.
 また,検査スタッフは放射線診療従事者の登録を行い,教育訓練を受け,ガラスバッジなど個人モニタを正確に着用して検査に臨み,検査中は,防護具(鉛エプロン,防護メガネ,ネックガード,装置に設置してある防護エプロン,鉛ガラス,防護衝立等)を活用して被ばくを低減するように心がけています.

 2).医療安全
 患者誤認防止策として、患者様にフルネームで名前を確認させて頂きます.患者誤認防止に努めております.
 また,検査スタッフは医療安全講習会に参加して,さらなる医療安全の向上に努めております.

 3).機器管理・保守
 血管造影検査・治療に使用する装置,緊急時に使用する機器はメーカによる定期点検,日々の始業時点検を行い,検査・治療が安全に行えるように,装置の機器管理を行っています.

血管造影検査を受けられる患者様へ

●一般的な注意事項
 ★血管撮影室での検査・治療は全て予約制で検査時間も決まっております.
 前の検査・治療の状況により,検査開始時間が予約時間と前後することがあります.ご了承ください.

 ★外来の患者様は,予約日時に1F放射線部受付にお越し下さい.(キャンセルされる場合にはできるだけ早くに主治医にご連絡ください.)

 ★検査予約の時に主治医から検査についての説明がありますので,守って下さい.不明な点がありましたら,主治医にお聞きください.
  基本的に検査前1食は絶食です.

 ★検査室では,患者様の不安ができるだけなくなるよう,スタッフ一同,寄り添います.何でもご相談ください.

血管造影検査Q&A よくある質問にお答えします

●血管造影検査とはどんな検査ですか?

 血管造影検査は単純X線撮影やX線透視像では通常は視認できない血管を,カテーテルという管を目的血管内に挿入して,造影剤を投与し血管を描出する検査です.
 血管造影検査では造影剤を心拍出による血流に乗せて抹消に運び,動脈,毛細血管,静脈へ移行する循環動態を連続撮影します.血管造影の目的は,動脈疾患,腫瘍,炎症の診断,手術に際しての血管のマッピング,インターベンショナルラジオロジー(interventional radiology: IVR,画像下治療)にも利用されます.

●検査時間はどれくらいですか?

 対象となる疾患,検査のみか治療も行うかで変わりますが,おおよそ1~2時間程度が最も多い検査・治療時間です.


●痛みを伴う検査ですか?

 血管造影検査は外科手術に比べると低侵襲の検査・治療ですが,患者様にある程度の負担を強いる検査です.  局部麻酔を施行するときに痛みを感じますが,検査中カテーテルを操作されている時は,痛みは感じません.造影剤を使用している際に熱感を感じることがあります.