専門的なサポートにより
ひとりひとりの成長に応じた
自立した生活を目指します。
二分脊椎とは
二分脊椎(Spina Bifida : SB)とは脊髄神経・脊椎の元となる神経管や脊索の発生の過程で
癒合不全が生じてできる生まれつきの疾患です。
開放性二分脊椎は、本来ならば脊椎の中にあるべき脊髄神経が皮膚の外に出てしまうために、
外界からの刺激により損傷を受け、患部レベル以下の神経機能が低下します。
閉鎖性二分脊椎は、脊髄は皮膚に覆われていますが、本来ならば成長とともに頭側に上がるべき脊髄が脂肪腫などの
影響で尾側にとどまり引っ張られてしまうことで神経機能が低下します。
開放性二分脊椎、閉鎖性二分脊椎では病態はことなりますが、生まれてから様々な臓器にまたがる症状が現れるので、
それぞれに対してフォローすることが大切です。
二分脊椎は、主に病変が皮膚に覆われているか覆われていないかによって
開放性二分脊椎と閉鎖性二分脊椎の大きく2つに大別されます。
主な病態・症状
中枢神経
- 水頭症
- キアリ奇形II型
- 脊髄係留症候群
- 脊髄空洞症
- てんかん
- 発達遅滞
- 学習障害
運動器
- 下肢の運動、感覚障害
- 脊柱の変形(側弯・後弯)
- 足部の変形
- 関節の脱臼・拘縮
腎・排尿
- 排尿障害
- 尿失禁
- 尿路感染
- 水腎水尿管症
- 膀胱尿管逆流
- 腎機能障害
- 性機能障害
上記病態・症状を理解したうえで患者さん・家族に対する専門的なサポートを行います。
診療体制
1.大阪大学二分脊椎多職種専門外来
当院では二分脊椎の患者さんに対して、出生前から成人期に至るまで、
多診療科および多職種による連携した診療体制で診療・支援する取り組みを行っています。
- 取り組み
01
- 様々な分野の専門家がお互い連携しながら多彩な症状に対応します。
- 取り組み
02
- 今ある機能を出来るだけ維持することを目指します。
- 取り組み
03
- 様々な合併症に対して、予防、早期発見を心がけます。
- 取り組み
04
- 成長発達を考えながら、生活の質を重視した診療を心がけます。
- 取り組み
05
- 医療的サポートに加えて、社会的な自立に向けたサポートも行います。
- 取り組み
06
- 胎児から成人まで一貫したサポートを行います。
- 取り組み
07
- 胎児手術(子宮開放胎児脊髄髄膜瘤閉鎖術)を受けた
患者さんのサポートも積極的に行っています。
2.専門チームメンバー
二分脊椎外来では、さまざまな専門家がうまく連携をとりながら、
胎児から成人まで多くの臓器にまたがる多彩な症状・障害に対応し、
社会的・精神的サポートも含めた全人的サポートを心がけます。
- 【コーディネーター】
渡邊美穂
- 診療科間の調整、自立支援、成人移行サポートを行います。
- 【脳神経外科】
香川尚己、平山龍一、横田千里
- 脊髄髄膜瘤閉鎖術、水頭症に対する脳室腹腔内シャント術、キアリ奇形II型に対する大後頭孔減圧術、再係留に対する係留解除術などの外科治療、術後管理を行います。
- 【泌尿器科】
竹澤健太郎、上田倫央
- 排尿管理、下部尿路機能の評価・治療を行います。
- 【小児外科】
奥山宏臣、渡邊美穂、出口幸一
- 排便管理を行います。
- 【小児科(新生児)】
荒堀仁美、北畠康司、山本哲史
- 新生児期管理、発達フォローを行います。
- 【小児科(神経)】
青天目信、谷河純平
- 発達フォロー、てんかん治療を行います。
- 【小児科(腎臓)】
藤原誠、石見壮史
- 腎機能評価・治療を行います。
- 【産科周産期】
遠藤誠之、味村和哉
- 胎児診断症例の管理・治療を行います。
- 【整形外科】
具田陽香、吉田清志(外部委託)
- 下肢運動機能の評価、下肢変形などに対する治療、脊柱変形の評価・治療・管理を行います。
- 【リハビリテーション】
こどもとかぞくの整形外科よしだクリニック
吉田清志(外部委託)
- リハビリテーション、装具作成を行います。
- 【皮膚・排泄ケア認定看護師】
阿部薫、田中寿江
- 排便・排尿管理のサポート、褥瘡ケアを行います。
- 【医療ソーシャルワーカー】
石川晋太郎
- 社会資源(医療費助成制度、福祉制度)の情報提供
成長発達に応じての療養環境の調整などを行います。
- 【臨床心理士】
田口真由美
- 患者さん・ご家族への心理的サポートを行います。
- 【コーディネーター補佐】
正木朋子
- 外来の調整などを行います。
- 【CLS】
馬戸史子
- チャイルド・ライフ・スペシャリスト
お子さん・ごきょうだい、ひとりひとりに合った
理解・安心・対処を援助する心のケアを行います。
受診を希望される患者さんへ
受診予約方法
- 【医療機関よりご紹介いただく場合】
-
通院中の医療機関より小児外科 二分脊椎外来 初診(毎週木曜日 午後)の予約希望として当院『患者包括サポートセンター』にて予約申し込みを行ってください。
初診外来にてお話をお聞きした上で、必要な専門家の外来受診を行っていただくよう調整いたします。
また、各診療科へ個別に受診をご希望される場合は、ご希望する診療科の外来予約申し込みを『患者包括サポートセンター』にて行ってください。
- 【予約・紹介状のない患者さまの場合】
-
当日予約の患者さま優先となりますので、待ち時間がかなりありますことをご了承ください。
完全予約制の診療科もございますので、事前に受診希望の診療科へお問い合わせ下さい。
本院は高度医療を提供する「特定機能病院」として厚生労働省から認定されております。
本院を受診される場合は原則として他の医療機関からの「紹介状(診療情報提供書)」が必要です。
紹介状をお持ちでない患者さまは医療費とは別に【選定療養費として8,800円(税込)】をお支払いいただく事になります。