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臨床研究(過去分)
 近年、治験を代表とする臨床研究や疾患レジストリの重要性が認識され、学会や研究者グループで特定の疾患に関する臨床データを収集する活動が行われています。私たちの研究室でも複数の臨床研究を実施しています。さらに、CDISCといった標準規格を用いることで、電子カルテシステムに格納された診療データを、このような臨床研究に利用するためのシステム開発も行っています。

 大学病院入院から訪問看護に移行する患者に対して引き継がれる看護診断・介入・成果を
 HANDA-NIC-NOCを指標として明らかにする研究

 本研究は訪問看護記録システム開発の基礎研究として、大学病院から訪問看護に移行する際にどのような看護ケアが引き継がれているのかを調査します。

  

 研究対象者:2017年4月1日から2019年3月31日の期間に大阪大学医学部附属病院に入院され、訪問看護に移行された方

 収集するデータ:年齢、転院先の種類、病名、身体状態、継続が必要な医療ケア等


 研究責任者:坂田泰史(大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学 教授)
 研究担当者:小玉伽那(大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学 大学院生)
 研究実施予定期間:2019年11月21日〜2020年3月31日

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 大阪府のがん診療拠点病院の診療の質の測定

 がん医療の均てん化に向けて、大阪府のがん診療拠点病院のがん診療の質を測定することを目的とする。厚労省に定期的に提出するDPCデータと大阪府の地域がん登録資料とをリンケージし、診療ガイドラインで推奨されている標準的治療の各拠点病院での実施割合などの診療の実態を明らかにする。さらに、高齢または併存疾患を有するがん患者における標準的治療の有効性を検証する。患者情報は連結可能匿名化した上で、研究機関代表施設の大阪国際がんセンターがん対策センター政策情報部に提出する。対応表は厳重に保管する。
研究開始後に、自身の診療データ利用を拒否される場合は下記へご連絡ください。

 連絡先: 大阪大学医学部附属病院医療情報部・教授 松村泰志(06-6879-5900)
 研究実施予定期間: 〜2020年3月31日


 人工知能研究基盤としての多施設匿名化臨床データベース構築と活用研究

 本研究は高度な診療支援の実現を目的として、医用人工知能研究の基盤としての多施設匿名化臨床データベース構築と活用を目指すものです。

 多くの病院に電子カルテが導入され臨床データが保管されるようになっています。しかしこの臨床データを解析し医学研究に活用したり、個々の患者さんの診療において高度なコンピュータ支援を行ったりするためには、まだまだ多くの高度な技術開発が必要で、臨床データだけでなく臨床医学知識のコンピュータ処理なども必須です。本研究は複数の大学病院の臨床データを匿名化して統合したデータベースを一箇所に構築し、それを用いて人工知能技術と呼ばれる最新の手法などを組み合わせてデータベース解析をしたり、今診療している患者さんと同じような病状の患者さんの過去の臨床データを瞬時に見つけて診療の役に立てたりといった活用をする情報システムのインフラ(基盤)を構築します。そして、従来は困難であった高精度な医療ビッグデータ解析や高度な診療支援を可能とし、未知の臨床上の出来事が起こっていることを発見したりすることにつなげようとするものです。


 研究代表者: 大江和彦(東京大学医学系研究科医療情報経済学分野教授(東京大学医学部附属病院企画情報運営部長))
 分担研究者(本院責任者): 松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究実施施設・事務局: 大阪大学大学院医学系研究科 医療情報学
 研究実施予定期間: 〜2020年3月31日

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 多施設連携情報集約型医療情報DB の実現性研究

 大学病院の診療情報を統合・分析、各大学病院及び研究機関での活用により、医療経済・医療経営・疫学研究に有益であると考えております。連結不可能匿名化された診療情報の収集を行い、蓄積した情報をEBM(根拠に基づく医療)・疫学研究や医療経済への活用を行うことで、最終的には「患者へのより良い医療サービスの提供」が期待されると考えられ、このような継続的な社会的価値を提供し続ける具体的なモデルの一つとして医療統計情報プラットフォームが提案されています。本研究においては上記モデルの実現性の評価を行う上で収集する診療情報の選定、精度向上を目指したクレンジング手法の研究、収集データ項目の標準化・規格化を進め、診療情報のデータベースの在り方の研究を構想中の医療統計情報プラットフォームを用い進めます。また、データベースに蓄積された診療情報を用いて作成する情報コンテンツ(統計情報・レポート)により、各大学病院、研究機関の有識者などからの有効性の評価を受け、あるべき診療情報の活用に関する研究を行うことを目的としています。


 研究代表者: 黒田知宏(京都大学医学部附属病院 医療情報企画部 教授)
 分担研究者(本院責任者): 松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究実施施設・事務局: 大阪大学大学院医学系研究科 医療情報学
 研究実施予定期間: 〜2020年3月31日

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 自然言語処理を用いた放射線レポートの解析

 電子カルテシステムの導入で診療記録が電子化されて保存されるようになったが、記載データの多くが自然言語によるテキストデータであり、非構造化データである。非構造化データは、書き手によって表現が多様であり、コンピュータで診断名や患者状態に関する情報を正確に抽出することは難しい。電子カルテの診療データから、医学的に有用な情報を抽出するためには、非構造化データをコンピュータが解析しやすい構造化データに変換する必要がある。本研究では、放射線レポートを対象として、自然言語処理技術を用いて、その内容を解析し、診断名や臨床ステージ等の重要な所見を構造化データとして抽出するアルゴルズムの開発を目指す。

 本研究は、国立研究開発法人情報通信研究機構ユニバーサルコミュニケーション研究所データ駆動知能システム研究センター(センター長:鳥澤健太郎)との共同研究で行う。放射線検査レポートとがん登録データを匿名化処理し、国立研究開発法人情報通信研究機構ユニバーサルコミュニケーション研究所データ駆動知能システム研究センターの自然言語処理装置に取り込み、学習、評価を行う。


 研究責任者: 松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究実施施設・事務局: 大阪大学大学院医学系研究科 医療情報学
 解析: 大阪大学大学院医学系研究科 医療情報学・
     国立研究開発法人情報通信研究機構ユニバーサルコミュニケーション研究所
                         データ駆動知能システム研究センター
 研究実施予定期間: 〜2019年3月31日


 病院情報システムのデータによる薬剤有害事象発生の調査

 病院情報システムのデータを利用して、薬剤等の治療の安全性評価を行うための方法について検討し、各薬剤について指定する副作用の発生率の算出を試みる。 2000年1月1日から2019年12月31日までの大阪大学医学部附属病院受診患者を対象に、処方、注射、放射線治療等の治療データと検体検査結果、経過記録、画像レポート等の有害事象が記録されているデータを収集する。有害事象の発生を検出し、有害事象発生時前後に投与されていた薬等の情報から、各薬剤等の有害事象発生率を算出する。 名古屋大学医学部附属病院等の他院でも同様の処理をし、抽出データ、集計データを集めて比較、集計する。


 研究責任者: 松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究機関代表施設: 大阪大学医学部附属病院
 研究実施予定期間: 〜2019年12月31日


 電子カルテデータベースを用いた下肢深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症に関する網羅的疫学研究

 深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症は多くの診療科にわたって問題になる疾患の一つである。そのため本疾患の発生頻度から適切な治療法、長期予後に至るまで全体像はまだ不明な点が多い。本研究の目的は、電子カルテデータベース、及び各部門システムを用いて下肢深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症に関する網羅的疫学研究を行うこととする。患者情報は連結可能匿名化した上で、データベースに登録する。


 研究責任者: 原 正彦(大阪大学医学部附属病院未来医療開発部・特任研究員)
 研究機関代表施設: 大阪大学医学部附属病院 未来医療開発部
 研究実施予定期間: 〜2019年12月31日

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 がん患者の臨床検査値を用いた新規予後予測法の探索

 日常的に測定する臨床検査値を観察し、短期の予後予測を可能にする新しい手法を探索することを目的とする。がんの患者を対象とし、年齢、性別、身長、体重、診療科、がんの原発部位、Stage、手術部位、退院までの日数、化学療法、放射線療法、輸液・栄養療法、食事摂取割合、主な合併症、併用薬、副作用、転帰、臨床検査値[Hb、Ht、CRP、AST、ALT、LDH、Alb、血清クレアチニン(Cr)、BUN、血清電解質、血算(RBC、WBC、PLT、リンパ球割合)など]と死亡日を調査する。臨床検査値については、死亡時まで、あるいは治療開始から最大5年後までの推移を調査する。調査項目の値と2週間以内の予後との関連を、COX回帰分析など単変量解析および多変量解析を用いて解析する。調査に際し、患者識別情報を削除し別の番号の識別子でデータを管理し、対応表を厳重に保管する。


 研究責任者: 上島悦子(大阪大学大学院薬学研究科医療薬学分野・教授)
 研究機関代表施設: 大阪大学医学部附属病院
 研究実施事務局: 大阪大学大学院薬学研究科附属実践薬学教育研究センター
          医療薬学教育研究ユニット
 研究実施予定期間: 〜2019年12月31日

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 がん診療均てん化のための臨床情報データベース構築と活用に関する研究

 本研究の目的は、院内がん登録とDPCデータのリンクデータを作成した、採録負担の少ない方法で診療実態の把握や標準診療実施率(QI)の算定・参加施設へのフィードバックなどを行いQIシステムの妥当性の検証・構築を行うこと、構築された院内がん登録-DPCリンクデータについてデータベースを構築し、がん対策、がん診療の向上のために有用な解析を行うとともに、その他の活用方法を検討することの2点である。患者情報は連結可能匿名化した上で、研究機関代表施設の国立がん研究センターがん対策情報センターがん臨床情報部に提出する。対応表は厳重に保管する。
研究開始後に、自身の診療データ利用を拒否される場合は下記へご連絡ください。

 連絡先: 大阪大学医学部附属病院医療情報部・教授 松村泰志(06-6879-5900)
 研究実施予定期間: 〜2019年6月30日


 悪性黒色腫レジストリ

 将来行われる悪性黒色腫を対象とした臨床試験が滞りなく推進するようにするために、悪性黒色腫の疾患レジストリを行う。悪性黒色腫の臨床試験を計画する際に、被験者候補の数が正確に推定できると、無理のない計画が立ち、予定通りに推進することができる。


 研究責任者: 松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究機関代表施設: 大阪大学医学部附属病院
 研究実施事務局: 大阪大学医学部附属病院 未来医療開発部データセンター
 研究実施予定期間: 〜2018年6月30日

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 血液検査結果によるがん早期診断支援システムの構築

 がんの治療成績向上には早期発見が最も効果的である。しかし、膵癌や胆嚢癌など、初期には症状が出にくく、発見が遅れるがんが少なくない。大阪大学医学部附属病院では1995年より病名、検体検査結果は病院情報システムに登録され、二次利用が可能である。本研究ではがん患者と非がん患者の血液検査データをデータマイニングする事により、がん早期発見を可能とする判別ルール抽出を目的とする。

 データマイニングで得られた判別ルールは複雑であり、人間の思考にあてはめる事は困難である。そこで得られた判別ルールを病院情報システムに組み込み、がんを疑う血液検査結果が得られた場合は、電子的に精密検査を促す警告を出すシステム構築を目指す。癌患者と非がん患者について、連結可能匿名化し、対応表を切り離した状態で、分析処理する。


 研究責任者: 松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究実施施設・事務局: 大阪大学大学院医学系研究科 医療情報学
 研究実施予定期間: 〜2015年3月31日


 卵巣癌レジストリ

 将来行われる進行・再発卵巣癌患者を対象とした臨床試験が滞りなく推進するようにするために、進行・再発卵巣癌の疾患レジストリを行う。進行・再発卵巣癌の臨床試験を計画する際に、被験者候補の数が正確に推定できると、無理のない計画が立ち、予定通りに推進することができる。

 再発卵巣癌患者について、連結可能匿名化した上で、データベースに登録する。


 研究責任者: 松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究機関代表施設: 大阪大学医学部附属病院
 研究実施事務局: 大阪大学医学部附属病院 未来医療開発部データセンター
 研究実施予定期間: 〜2016年3月31日

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 DACS内文書 遠隔バックアップ環境の開発

 既存の院内の診療情報文書を、秘密分散技術を用いて暗号化かつ分散片化し、複数の拠点に設置するサーバに「遠隔バックアップ」するシステムを構築し、診療データが暗号化された形で遠隔地に安全に保存出来るかどうかの検証を行う。


 研究責任者: 松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究機関代表施設: 大阪大学医学部附属病院
 研究分担施設: 京都大学、愛媛大学、NRIセキュアテクノロジーズ株式会社
 研究実施予定期間: 〜2016年3月31日

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