大阪大学医学部附属病院 感染制御部は2003年の設立以来、大阪大学医学部附属病院の中央診療部門として病院内外の感染対策に取り組んできました。2020年の新型コロナウイルス感染症の流行以降、感染対策の重要性はますます高まっています。
病院内では医療従事者への感染対策の教育活動、各種耐性菌・病院内感染症のサーベイランス、抗菌薬適正使用推進チーム(Antimicrobial Stewardship Team:AST)としての活動、そして入院患者様の感染症に関するコンサルテーション、など病院内の感染対策に関わる業務を感染制御部が担っています。これらの業務は、医師・看護師だけでなく薬剤師、臨床検査技師、事務職員など多職種が緊密に連携して行っています。また昨今の微生物に関する検査の発展はめざましく、検出された微生物がどこからやってきたのかという感染経路を特定するための検査や、どんな微生物でどのような抗菌薬が有効かを少しでも早く知るための検査など、最新技術を用いた感染対策が用いられるようになってきました。大阪大学医学部附属病院 感染制御部は従来の感染対策の原則を重視しつつ、大阪大学医学部附属病院ならではの技術・人的リソースを活用した最先端の感染対策を目指します。
大阪大学医学部附属病院は感染防止対策加算1を取得しており、地域連携にも注力しています。感染対策では人だけでなく動物や環境まで含めて健全な状態を目指す「ワンヘルス」という概念が重要になってきており、私達は病院単位ではなく地域、そして都道府県単位での感染対策や抗菌薬適正使用を行っていくことを目指します。前任の朝野部長が築いた吹田市保健所を中心とした吹田市の医療機関や介護施設との地域ネットワークをさらに発展させ、医療機関、介護施設、保健所、地方衛生研究所、地方自治体と一体となった感染対策ネットワークづくりを目指します。私たち感染制御部は校是である「地域に生き世界に伸びる」をモットーとして、地域に根ざした最先端の感染対策を目指します。
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