職種と担当業務のご紹介

放射線部門
診療放射線技師の持ち場と担当業務

診療放射線技師とは

医師の指示のもと、放射線を用いた検査・治療や機器管理を行う医療技術職。医療現場において活躍の場が広く、医師以外で唯一放射線治療を行う事が出来る。主に医療機関に在籍し、診断の基礎となる情報を提供する。

持ち場と担当業務

一般撮影部門

一般撮影部門では胸部撮影、骨撮影などのレントゲン撮影の他に乳房撮影や骨塩定量撮影を担っています。

担当業務

  • 一般撮影室
    レントゲン撮影は放射線の一種であるX線を照射して画像を得る検査です。人体内にある臓器の異なるX線吸収差を白黒の画像として表示することができます。
    一般撮影室
    一般撮影室
    一般撮影室
    一般撮影室
  • 乳房撮影
    マンモグラフィ(乳房撮影)は専用の装置で乳房の異常を写し出すことができます。当院では1回の圧迫で通常のマンモグラフィと3D撮影であるトモシンセシスの撮影が可能です。また、同装置を用いて乳がんが疑われる石灰化病変に対して組織を吸引し、採取する検査を行うことができます。
    乳房撮影
    乳房撮影
  • 骨塩定量検査
    骨塩定量検査では2重のエネルギーX線を利用して骨密度を測定する検査です。測定値を、正確値(標準値)と比較することで骨塩量を知ることができます。
    骨塩定量検査
    骨塩定量検査

心臓カテーテル室

担当業務

心臓カテ-テル検査では、X線撮影装置や心電図などの生体情報をモニタリングする心臓カテーテルモニタリングシステム(ポリグラフ、ラボ装置等)を用いて、心臓・大血管内の血圧や血液中の酸素濃度、心臓が送り出す循環血液量の測定、刺激伝導系を調べる電気生理学的検査などが行われます。心臓の壁運動や冠動脈・大血管の様子をリアルタイムに観察する造影検査が行われることもあります。心臓移植後には定期的に心筋を採取し、拒絶反応や感染などの問題が生じていないかの確認を行います。治療では、冠動脈病変に対するPCIや、異常血管の塞栓、不整脈に対するデバイス植込み術やカテーテルアブレーションなどが行われています。大阪大学医学部附属病院心臓カテーテル検査室では心不全、不整脈、虚血性心疾患を循環器内科、先天性心疾患を小児科が担当しており、医師・看護師・診療放射線技師・臨床工学技士など多職種が協力し合い、患者様を中心としたチーム医療を心がけています。
心臓カテーテル室
心臓カテーテル室
心臓カテーテル室
心臓カテーテル室

消化管(GI)室

担当業務

当院では消化管検査室は二室運用されていますが、2025年5月の新病院移転を機に内視鏡検査へ移設が計画されています。
現行利用科は、消化器外科・消化器内科・小児外科・小児科・耳鼻咽喉科頭頸部外科です。 検査 / 処置・治療割合は半々といったところで、上昇傾向にある検査は嚥下造影のみで、処置の安全性担保のために使用されることが増えてきました。
また、内視鏡検査に診療放射線技師がついている施設は少ないと聞きますが、X線透視併用の内視鏡検査には全例に放射線技師が付くシステムを取っています。
教育の戦略として、技術的なコミュニケーションがとれるスタッフ育成を目標に、関連科の臨床カンファレンスへの参加を義務付ける一方、透視診断能力を強化するために、全症例に診断レポートを作成させています。
消化管(GI)室
消化管(GI)室
消化管(GI)室
消化管(GI)室
消化管(GI)室
消化管(GI)室s

血管撮影室

担当業務

本院の血管撮影部門では年間1500件程度の心臓・大血管以外のVascular、Non vascularの検査・IVRを行っています。放射線科IVRチーム、脳神経外科血管内治療チーム、脳神経内科、循環器内科医、看護師、診療放射線技師、臨床工学技士、他科と連携しチームで患者様に安全・安心な検査・治療を提供しています。また、当院では最新の血管撮影装置、凍結療法装置を備え、アルゴンガスを利用した最先端の凍結療法にも対応しています。立ち仕事が多いですが、チーム一丸となり、仲良く業務を行っています。
血管撮影室
血管撮影室
血管撮影室
血管撮影室

X-TV室

担当業務

X線TV室では主に泌尿器科や産婦人科、整形外科の透視検査、放射線科IVR手技、呼吸器内科外科の透視下での気管支鏡検査を行います。泌尿器科や産婦人科の検査では、検査部位や検査方法の特性上、患者が恥じらいや嫌な思いを感じる場合があります。また気管支鏡検査に関しては患者急変などのリスクが高い検査です。そのため我々は他の医療スタッフと力を合わせて、常に患者の心と身体の状態に気を配りながら検査を行っています。
X-TV室
X-TV室
X-TV室
X-TV室

救命救急

担当業務

救命センターには一般撮影装置、移動型X線撮影装置、CT、血管造影装置の4台のX線機器が備えられており、日勤帯は専任の担当技師1名が救急診療に携わっています。
CT検査室は大きな扉を隔てて初療室に隣接し、扉を開けると初療室とCT室が一体となるCT一体型初療室を導入しています。運用面においてはCT検査室に直接患者を搬入し、患者移動に伴うタイムロスをなくす取り組みも行われ、ハードとソフトの両面から時間短縮にアプローチしています。CT装置は2管球CTで頭から足先までを約4秒で撮影できる高速撮影やDual Energy撮影が可能です。 血管造影検査室は手術室に準じた空気清浄度を有しており、IVRはもとより外科的な処置にも対応しています。
診断から治療まで一連の診療を救命センター内で完結できる環境は、時間的猶予の少ない救急患者にとって大きなアドバンテージであり、救命率の向上に大きく貢献しています。
救命救急
救命救急
救命救急
救命救急
救命救急
救命救急
救命救急
救命救急

CT室

担当業務

CT検査は、画像診断の第一選択になるモダリティであり、積極的な最新装置導入が行われています。この装置を使いこなすために、最新情報の取得や最新技術の修得に力を入れ、多種多様の検査依頼に対して、柔軟に対応できるように努めています。臨床現場には我々の他に放射線科医師、看護師が常駐しています。常に情報共有を行うことで、日常検査のスムーズな実施と急変時の素早い対応ができるよう心がけています。
CT室
CT室
CT室
CT室

手術室

担当業務

手術室における診療放射線技師の業務は、X線撮影および透視を用いた画像提供による手術支援です。X線撮影においては、患者の状態確認、チューブの位置確認、手術で使用したガーゼ・針・手術器材等の体内残存確認を目的としており、医療事故防止の最後の砦と言っても過言ではありません。X線透視においては、固定具の刺入やカテーテル挿入をアシストしています。さらには、近年のハイブリッド手術室の普及により心・大血管領域におけるカテーテルを用いた低侵襲手術として、大動脈ステントグラフト内挿術や経皮的大動脈弁留置術(TAVI)といった高度最先端医療が行われるようになりました。今後は、MRI手術室導入も予定されており、専門的かつ複合的知識と経験を備えたエキスパートが求められる職場であると言えます。外科医を筆頭に手術スタッフと連携を図りつつ、阿吽の呼吸で迅速に最適な画像支援を行い、より質の高い医療の実現に貢献することを理念として日々の業務に励んでいます。
手術室
手術室
手術室
手術室
手術室
手術室

MRI室

担当業務

当院のMRI検査部門では、超電導型MRI装置4台(内3T(テスラ)装置/3台、1.5T装置/1台)を設置しております。各検査内容に応じて頭部中枢神経系、頚胸部、腹部骨盤、四肢関節・骨軟部領域の検査枠を設けることで効率的に検査を行っています。検査は日本磁気共鳴専門技術者を含む4名以上の放射線技師、2名の看護師、および検査枠に則した放射線科医が担い、それぞれの役割を分担しながら協力することでMRI検査に特有な危険に対応しながら安全に検査を進めています。当院の特色として放射線科医が検査室に常駐しているので、患者さんの検査目的に応じて適宜撮像法を調整し高品質な検査を提供でき、造影検査に関しても安心して行える環境を整えております。当院はMRI対応植込み型デバイス患者のMRI検査認定施設および2022年には画像診断管理認証施設にもなっています。また、大学病院として定期的な装置の最新アップデートを各メーカーにて導入し、最高の施設・装置にチームワークのとれたスタッフが加わることで安全かつ世界でも最新の技術を用いた最善の検査を提供可能であることが自慢です。
MRI室
MRI室
MRI室
MRI室

核医学検査室

担当業務

核医学検査は放射性医薬品を用いて体内に分布した薬から出る放射線を画像化することにより代謝を評価する検査で、検査の目的に応じて様々な種類の検査を行っています。近年ではSPECT/CT、PET/CT装置を用いることにより形態画像(CT画像)と代謝画像(SPECT画像、PET画像)を併せ持つ情報を提供することが可能となっています。また、診断用核種であるγ線や陽電子放出核種から治療用核種であるα線やβ線が放出される核種に変更した放射性医薬品を用いた核医学治療も盛んになってきており、治療適応の評価や治療効果を類推するための画像を提供しています。
核医学検査室
核医学検査室
核医学検査室
核医学検査室
核医学検査室
核医学検査室
核医学検査室
核医学検査室

放射線治療室

担当業務

放射線治療部門では一般撮影やCTなど放射線を用いた画像診断とは異なり、高エネルギーの放射線を用い、がんなどの病気に対して治療を行っています。また、化学療法、手術などと組み合わせることで治療効果を向上させることもできます。
スタッフは診療放射線技師をはじめ、医師、看護師、医学物理士で構成され、定期カンファレンスでの情報共有を行い、安全で質の高い医療を提供すべく、チーム医療が展開されています。
外部放射線治療では、3次元原体照射、強度変調放射線治療、定位放射線治療が行える高精度放射線治療装置2台、産業用ロボットに小型の高エネルギー発生装置を搭載した定位放射線治療専用装置1台を導入し、高精度放射線治療を幅広く行っています。内部放射線治療には小線源治療装置を導入し、直接患者の体内に放射線源を挿入して、子宮などへの腔内照射や組織内照射、前立腺がんに対するヨウ素125線源を永久挿入する治療なども行っています。
放射線治療室
放射線治療室
放射線治療室
放射線治療室
放射線治療室
放射線治療室
放射線治療室

放射線部情報システム管理室

担当業務

放射線部情報システム管理室は、放射線部門システム(RIS:Radiology Information System)および医療画像管理システム(PACS:Picture Archiving and Communication System)を管理しております。放射線部内の業務が円滑に行えるように開発されたRISを用い日々の業務をこなしており、より良いシステムのため新たな提案も行っています。
PACSとは、医療機関で発生するすべての検査画像をデジタルデータで保存し、その配信から診断までの一連のワークフローを総合的に管理するシステムです。現在では診察、読影、手術計画等と、必要不可欠なシステムとなっており、常に止まる事が無いよう緊急対応出来る体制を整えております。

医療安全・精度管理関連

担当業務

医療において放射線は不可欠であり、先端医療のほとんども放射線がないと成り立ちません。一方で、放射線には人体に対する負の作用があり、適切な取り扱いが求められます。安心・安全で質の高い医療の提供には医療安全管理が重要な役割を果たしますが、加えて放射線診療の場では放射線特有の対応が必要になります。このため当院では、放射線に関する高い専門性をもった医療従事者が、放射線診療の場で医療安全管理に当たっています。その業務は、一般的な医療安全管理から、放射線漏えい線量の測定や放射線防護具の点検といった放射線に関する安全管理、放射線診療機器の取り扱い研修やその精度管理、放射線診療従事者に対する安全管理、さらには他職種も含めた医療従事者に対する教育および学習機会の提供など多岐にわたります。それら業務は患者さんから見えるものではありませんが、当院が安全で高度な医療を提供していくための重要な役割を果たしています。
医療安全・精度管理関連
医療安全・精度管理関連
医療安全・精度管理関連
医療安全・精度管理関連
医療安全・精度管理関連
医療安全・精度管理関連 大阪大学「ワニ博士」診療放射線技師の頃