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臨床研究
 近年、治験を代表とする臨床研究や疾患レジストリの重要性が認識され、学会や研究者グループで特定の疾患に関する臨床データを収集する活動が行われています。私たちの研究室でも複数の臨床研究を実施しています。さらに、CDISCといった標準規格を用いることで、電子カルテシステムに格納された診療データを、このような臨床研究に利用するためのシステム開発も行っています。

 CDCS (Clinical study Data Collecting System)

 電子カルテにおいて診療データを記録する際、入力テンプレートを用い構造化データとして作成することで、診療データを2次利用することが可能になる。臨床研究における症例報告書は多くの場合、転記作業によって作成されているが、このようにしてデータを収集し、それを流用することで電子症例報告書(eCRF; electronic Case Report Form)の作成を半自動的に行うシステムを開発した。

 また、このシステムでは eCRFを PDF形式および CDISC標準の ODM (Operational Data Model)形式で出力している。これらのデータをセキュアなネットワークを介してデータセンターに送信することで、様々なシステムで作成されたeCRFを容易に収集することを実現しており、上記の臨床研究などで実際に活用している。


 心血管疾患におけるレセプト上の病名抽出アルゴリズムの開発と妥当性検証

 近年、入院や外来で診療を受けた時に発行される、診療報酬情報(レセプトデータ)を活用した研究が盛んになっています。本研究では、入院された患者さんの診療報酬情報に登録されている心血管疾患(心筋梗塞、心不全、大動脈疾患)病名と、実際に医師が診断した病名が一致するかどうかについて、複数の施設で協力して検討を行います。また、実際の病名だけではなく、入院中に受けた処置などの情報も併せて、より正確な診療報酬情報上での病名の同定方法を検討します。


 研究対象者:2018月4月1日から2019年3月31日までの間に大阪大学医学部附属病院に入院された患者さん

 収集するデータ:入院診療の過程で作成される電子カルテ上の診療録情報と診療報酬情報を使用します。


 研究責任者:岡田佳築(大阪大学大学院医学系研究科革的医療情報システム開発学寄附講座 寄附講座准教授//大阪大学医学部附属病院医療情報部)
 連絡先:大阪大学大学院医学系研究科革的医療情報システム開発学寄附講座/大阪大学医学部附属病院医療情報部 岡田佳築(06-6879-5900)
 研究実施予定期間: 〜2022年3月31日

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 看護計画立案を支援する人工知能の開発

 本研究では、大阪大学医学部附属病院の看護記録を用いて、看護計画立案を支援する人工知能の開発を目指します。

  

 調査データ該当期間:2010年1月1日〜2020年3月31日


 研究責任者:松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医学情報学 教授)
 研究担当者:小玉伽那(大阪大学大学院医学系研究科医学情報学 大学院生)
 連絡先:大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・大学院生 小玉伽那(06-6879-5900)
 研究実施予定期間: 〜2025年3月31日

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 AIを用いたOCT画像の解析

 この研究では、冠動脈カテーテル治療時に施行した光干渉断層法(OCT)検査の画像を解析し、カテーテル治療後の治療成績との関連を検討することを目的としています。

  

 研究対象者:2016年4月から2023年3月に大阪大学医学部附属病院にて冠動脈カテーテル治療を受けられた、または受けられる20歳以上の患者さんのうち、その際に冠動脈の光干渉断層法(OCT)検査を施行された方。


 研究責任者:武田理宏(大阪大学大学院医学系研究科医学情報学 准教授)
 研究担当者:小西正三(大阪大学大学院医学系研究科医学情報学 特任助教)
 連絡先:大阪大学医学部附属病院 医療情報部 特任助教 小西正三(06-6879-5900)
 研究実施予定期間: 〜2025年3月31日

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 数理モデルを用いた心臓CT画像の解析

 心臓CT検査は、循環器領域における代表的なイメージング検査であり、心臓・胸部大血管の精査を目的として日常的に行われています。心臓や主要血管の形態を調べることのほか、撮像した画像を数理的に詳しく解析することにより、様々な心機能指標を評価できる可能性があると考えられ、この研究ではこうした心機能指標の解析を探索的に行うことを目的としています。心機能指標の多くは、これまで患者さんの負担が大きい特別な検査によってしか得られなかったものであり、心臓CT画像から同様の指標を算出することができるようになれば、循環器疾患の診療において大変意義が大きいものと考えられます。

  

 研究対象者:2010年1月1日から2020年3月31日に大阪大学医学部附属病院で心臓CT検査を受けられた20歳以上の方


 研究責任者:武田理宏(大阪大学大学院医学系研究科医学情報学 准教授)
 研究担当者:小西正三(大阪大学大学院医学系研究科医学情報学 特任助教)
 連絡先:大阪大学医学部附属病院 医療情報部 特任助教 小西正三(06-6879-5900)
 研究実施予定期間: 〜2025年3月31日

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 日本循環器学会データ出力標準フォーマットに基づいたデータベースの品質管理に関する
 バリデーション

 本研究は循環器領域検査(心電図、心臓超音波、心臓カテーテル検査)において、各施設にて用いられている用語の定義、単位がそれぞれ大きく異なっています。これらの統一を図り実際に検査機器から出力されたデータを比較することで、名称の一致と内容の整合性を検証します。
研究開始後に、自身の診療データ利用を拒否される場合は下記へご連絡ください。

  

 研究対象者:2010年1月から2019年12月の期間に大阪大学医学部附属病院を受診した全患者及び参加医療機関を受診した全患者

 収集するデータ:心電図、心臓超音波検査、心臓カテーテル検査の検査結果


 研究代表者:中山雅晴(東北大学大学院医学系研究科医学情報学分野 教授)
 分担研究者(本院責任者):武田理宏(大阪大学医学部附属病院医療情報部 副部長・准教授)
 連絡先:大阪大学医学部附属病院 医療情報部 准教授 武田理宏(06-6879-5900)
 研究実施予定期間:2020年1月20日〜2020年3月31日

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 Clinical Study Data Collecting System(CDCS)によるデータ収集の有用性に関する実証的検討

 市販後の医薬品に対する安全性及び有効性の検証においては、医薬品の製造販売後の調査及び試験の実施の基準に関する省令等の一部を改正する省令が公布され、新たに「製造販売後データベース調査」の定義が設けられたことから、既存の医療データの二次利用が進むと考えられています。電子カルテに含まれる医療情報は、転帰や詳細情報を収集することが可能であるものの、データを解析可能とするために施設間での標準化が必要となる課題があります。CDCSは、多施設から必要な情報を漏れなく構造化した状態で記録することが可能な入力テンプレートを活用し、データセンターに送付する仕組みです。検査値等を取り込むことも可能となっています。しかし、CDCSのシステムの妥当性評価は未対応の状況です。そこで、CDCSを用いて収集した切除不能又は再発乳癌患者を対象として、CDCSによりデータを収集し、大阪大学医学部附属病院未来医療開発部データセンターへ送信された情報と電子カルテ上の診療情報(原資料)との一致性をカルテレビューにより確認することにより、CDCSによるデータ収集の正確性を検証します。

 対象患者さんは、『より良い乳癌診療の構築とコンセンサス形成を目的とした多施設共同調査研究 (KBCSG-TR 1316)』(研究代表者:国立病院機構大阪医療センター 増田 慎三、研究組織(KBCSG-TR)代表者:大阪国際がんセンター 乳腺・内分泌外科中山 貴寛)に登録される、切除不能又は再発の乳癌患者のうち、大阪大学医学部附属病院及び大阪国際がんセンターで登録されている患者さんです。

  

 2018年1月1日から2020年8月31日の期間に登録された時点の以下の情報を収集します。100例を予定しています。

収集するデータ内容は以下の通りです。

  1. 対象患者の基本属性:年齢、性別、身長、体重
  2. 既往歴等:閉経の有無、妊娠・出産歴、乳癌の家族歴、その他の既往歴
  3. 乳癌に関する調査項目:乳癌の確定診断日、ER、PR、HER2、組織学グレード分類などの病理検査所見、病期(ステージ)分類、手術歴、周術期の放射線治療歴・薬物療法歴、転移/再発の有無、転移/再発日、転移の部位、生存の有無、転帰、最終確認日
  4. 再発または切除不能と判断された後の治療に関する項目:治療履歴、治療効果(奏効率および無増悪生存期間など)、副作用の有無とその程度など


 研究責任者:武田理宏(大阪大学医学部附属病院医療情報部 副部長・准教授)
 研究機関代表施設:大阪大学医学部附属病院医療情報部
 研究実施予定期間: 〜2020年8月31日

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 レセプトデータからがん患者を特定する方法の精度評価に関する研究

 職域におけるがん検診の精度管理を効率的に進めるために、レセプトデータを用いてがん患者を特定することができると、がん検診の全受診者中のがんで治療された患者を把握することができ、がん検診の感度・特異度を測ることが可能となります。この方法を採用するためには、レセプトデータから、どの程度の精度でがん患者を捉えることができるのかの評価が必要となります。また、捉えられない症例がどのようなケースであるのかを把握することが重要です。そこで本研究では、大阪大学医学部附属病院のレセプトデータ、がん登録のデータ、電子カルテデータを利用し、レセプトデータから5大がん(肺がん、大腸がん、胃がん、乳がん、子宮がん)のそれぞれの検出方法についての精度を評価することを目的としています。

 2009年1月から2018年12月までのレセプトデータから、病名、医療行為、医薬品の3 つのデータを取り出します。約29万人の患者さんが対象となります。5大がんのそれぞれについて、レセプトデータからがんを特定するためのルールを当てはめ、がんの患者さんを特定します。がんと診断された患者さんについて、時系列にデータを集約し、それぞれの患者さんが最初にがんと診断された月を特定します。一方、がん登録データを利用し、がん登録上でがんと診断された患者さんと診断された月を特定し、レセプトから抽出した患者さんと最初に特定された月とを突合させます。偽陰性(がん登録でがんと診断されているがレセプトではがんを特定できなかった症例)、偽陽性(レセプトでがんと特定しているのにがん登録がされていない症例)のそれぞれの症例について、診療録を閲覧し、その原因を特定します。


 研究責任者:松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究機関代表施設:大阪大学医学部附属病院医療情報部
 研究実施予定期間: 〜2022年3月31日

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 レセプト及びDPCデータによる間質性肺疾患の特定アルゴリズムの開発と電子カルテデータを
 用いた精度の検証評価

 抗癌剤等の重大な副作用の一つに間質性肺疾患があり、その発生頻度の調査は、薬剤の安全性を評価する上で重要となります。薬剤の製造販売後調査として間質性肺疾患の発生頻度を調査する方法として、レセプトデータを利用する方法が可能であれば、広く調査ができるので有効です。しかし。レセプトデータから間質性肺疾患を特定する方法について、妥当性の評価がされていません。本研究は、がん患者を対象として、レセプトデータによる間質性肺疾患のアルゴリズムの妥当性の検証を目的としています。胸部CTで間質性肺疾患と診断された患者さんを真とし、これに対してレセプトデータによる間質性肺疾患の検出アルゴリズムの精度を評価します。

 対象患者さんは、大阪大学医学部附属病院において、2013年1月1日から2019年3月30日にがんの診断名が付き、その時18歳以上の患者さんから選択します。2014年1月1日から2019年6月30日までの間に胸部CT検査がされた患者さんについて、その検査実施12カ月前の期間に90日以上のがんの病名がある患者さんが対象となります。胸部CT検査のレポートから間質性肺疾患の有無を判定します。この間に胸部CT検査が実施されていない患者さんについては、2014年1月1日から2019年3月31日までのランダムに選択した日を基準日とし、その12カ月前の期間に90日以上のがんの病名がある患者さんが対象となります。これらの患者さんは、間質性肺疾患がない患者さんとします。

 対象患者さんを半分に分け、一方で、レセプト・DPCデータを用いて、間質性肺疾患を検出するために有効なデータおよび推定式を求め、他方で、その精度を調べます。こうして得られた間質性肺疾患の検出方法で間質性肺疾患を検出します。

 レセプト・DPCデータで特定した間質性肺疾患と胸部CTレポートで診断した間質性肺疾患の一致を調べ、陽性的中率、感度、特異度、陰性的中率、Fスコア等の指標を算出します。

 本研究は、先行研究「レセプト及びDPCデータによる間質性肺疾患の特定アルゴリズムの開発と電子カルテデータを用いた精度の検証」の後続研究で、ここで取得したデータを使用し、データ解析について追加研究し、解析の検証を行うことを目的としています。


 研究責任者:松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究機関代表施設:大阪大学医学部附属病院医療情報部
 研究実施予定期間: 〜2021年8月31日

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 画像レポートの自然言語処理による解析方法に関する研究

 本研究では、深層学習技術を応用した自然言語処理技術により、自由文で記載されている画像レポートを構造化レポートに変換し、表現のゆらぎを集約することで、意図した検索が正しくできるようにすることを目指し、その方法について研究開発します。

 大阪大学医学部附属病院(阪大病院)、大阪国際がんセンターを受診し、画像レポートが作成された患者さんの画像レポートデータを使います。阪大病院では、約192万件、大阪国際がんセンターでは約40万件の画像レポートのデータが蓄積されており、これらのデータを利用します。

 レポート中の文章に対して,ヘッダー フッターのレポートの内容に関係の無い情報の除去などの処理を行い、文章を1文ごとに分け、文を形態素単位に分割します。レポートに記載されている用語に対して、臓器や部位、観察物、臓器の異常所見、肯定/否定などの表現、観察物の特徴、観察物や臓器のサイズ、観察物や異常状態の変化状態といったラベルを付け、また、レポート全体に対して、特定の疾患を疑っている等のラベルを付与します。訓練及び評価用のデータセットを無作為に抽出して,各形態素にラベルを付与する作業を行います。阪大病院の深層学習用サーバに学習系を構築し、学習用データで学習させ、評価用データセットを用いて評価します。これをグループ化して構造化させる処理を行います。収集した用語に対し、同義語、上位、下位語の関係を与え、シソーラスを作成します。

 大阪国際がんセンターにおいても同様に取得したデータを各文への分解、形態素単位の分解処理を行います。ランダムに抽出した評価用レポート文を阪大病院の医療情報部に持ち込み、目視でラベルを付けます。阪大病院で学習させた系で、国際がんセンターの評価用レポート文の各形態素にラベルを付ける処理を行い、精度を評価し、精度が飽和するまで学習、評価を繰り返します。学習した系を国際がんセンターに持ち込み、対象とするモダリティ・部位のレポートを処理し、構造化レポートを作成し、追加すべき用語をシソーラスに追加します。


 研究責任者:松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究機関代表施設:大阪大学医学部附属病院医療情報部
 研究実施予定期間: 〜2024年3月31日

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 胸部単純X線画像の読影支援システムの開発研究

 胸部単純X線画像の読影支援システムの開発を行う。

 大阪大学医学部附属病院で撮影された胸部単純X線画像について、レポートの内容、電子カルテデータ、がん登録データを参照し、診断名毎に、診断が確定した時の画像、同一症例で診断確定時以前の正常時、または異常が軽微の時の画像を特定する。対照として、アクティブな異常のないことが確認された画像と、それ以前に撮られた異常所見の無い画像を特定する。これらの画像をPACSからダウンロードし、学習データとする。診断確定時の画像、診断確定以前の画像とのサブトラクション画像について、診断名を教師データとして機械学習を行い、作成したシステムを、評価用画像を用いて診断精度を評価する。

 本研究は、大阪大学データビリティフロンティア機構(機構長・八木康史)との共同研究で行う。抽出した画像データと画像の診断データは、匿名化処理した上で、大阪大学データビリティフロンティア機構の画像解析サーバに移し、機械学習、及び評価を行う。


 研究責任者: 松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究実施施設・事務局: 大阪大学大学院医学系研究科 医療情報学
 解析: 大阪大学大学院医学系研究科 医療情報学・大阪大学データビリティフロンティア機構
 研究実施予定期間: 〜2021年3月31日


 検体検査結果によるがん早期診断支援システムの構築

 がんの治療成績向上には早期発見が最も効果的である。しかし、膵癌や胆嚢癌など、初期には症状が出にくく、発見が遅れるがんが少なくない。大阪大学医学部附属病院では1995年より病名、検体検査結果は病院情報システムに登録され、二次利用が可能である。本研究ではがん患者と非がん患者の血液検査データをデータマイニングする事により、がん早期発見を可能とする判別ルール抽出を目的とする。

 データマイニングで得られた判別ルールは複雑であり、人間の思考にあてはめる事は困難である。そこで得られた判別ルールを病院情報システムに組み込み、がんを疑う血液検査結果が得られた場合は、電子的に精密検査を促す警告を出すシステム構築を目指す。癌患者と非がん患者について、連結可能匿名化し、対応表を切り離した状態で、分析処理する。


 研究責任者: 松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究実施施設・事務局: 大阪大学大学院医学系研究科 医療情報学
 研究実施予定期間: 〜2020年3月31日


 CBC検査結果による疾患診断システムの構築

 末梢血検査(CBC)は通常診療の際に、血液学的疾患の有無や各種病態の評価を行うために行われる検査である。大阪大学医学部附属病院(阪大病院)では1日約1,200件測定している、依頼件数の多い検査項目の一つであり、日々膨大なデータが蓄積されている。阪大病院臨床検査部で使用している末梢血検査測定機器では、臨床診断に必要な血球数測定や白血球分類、異常細胞検出を行っているが、同時に、現在臨床診断には用いられていない多数の血液細胞データが測定されている。これらのデータと、患者の疾患情報などのデータを用いて、診断、治療効果の予測やイベント発生の予測モデルの構築を試みる。検査結果および患者情報について、連結可能匿名化し、対応表を切り離した状態で、分析処理する。


 研究責任者: 松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究実施施設・事務局: 大阪大学大学院医学系研究科 医療情報学
 研究実施予定期間: 〜2020年3月31日


 骨粗鬆症罹患患者におけるビスフォスフォネート製剤の投与様式と治療効果・予後についての
 後向きコホート研究

 骨粗鬆症治療薬であるビスフォスフォネート製剤は、経口ビスフォスフォネートについてアレンドロネートでは週1回服用製剤が、リセドロネートでは週1回、月1回服用製剤が、ミノドロン酸では月(4週)1回服用製剤が臨床応用されており、同効薬でもその服用様式は様々である。そこで、服用様式ごとに得られる治療効果が異なるかどうかを、病院情報システムに保存されている診療情報を利用して検討する。また、院内診療情報データベース(Data-Warehouse:DWH)に格納された文書情報から観察項目を機械的に抽出評価する手法やその妥当性に関して検証を行う。

※本研究では既に病院情報システムに保存されている診療情報を利用するため、被験者全員から事前にインフォームド・コンセントを得ることは事実上不可能となります。研究に関わる個人情報は対応表を用いて管理することで保護されます(研究対象者のデータから氏名等の個人情報を削り、代わりに新しく被験者番号をつけて匿名化を行います)。研究対象者と被験者番号を結びつける対応表は、外部に漏れないように、ネットワークから切り離されたコンピューターを使用して外部記憶媒体(USBなど)に記録する、あるいは筆記等による紙媒体に作成し、鍵をかけて厳重に保管します。また、研究開始後に、自身の診療データ利用を拒否される場合は下記へご連絡ください。

同意撤回に関するお問い合わせ先:大阪大学医学部附属病院医療情報部・教授 松村泰志(06-6879-5900)


 研究責任者: 松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究実施施設・事務局: 大阪大学大学院医学系研究科 医療情報学
 研究実施予定期間: 〜2019年3月31日

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 多施設統合退院サマリーデータベースの臨床応用

 本研究は、複数の施設・団体から退院サマリーや症例報告を電子的に抽出し、テキストマイニング技術によって共通の文書ベクトル空間を構築し、疾患の自動判定や類似症例の検索を初めとした様々な応用を可能とする大型データベースの構築を目的とする。
 地域あるいは疾患によってサマリーの記載内容には違いがある。同一施設内の比較で検出された差異が他の施設でも同様に検出された場合は疾患による違いの影響が強く、いくつかの施設に限定される場合は施設の特性による影響が強く、単一施設に限定される場合は個別の要因による影響が強いと判断できる。多施設のデータを集積することで疾患としての全体像を提供し、それと自施設との差異を明らかにして自らの特徴を知ることで、医療の品質管理や研修医の指導にも活用できる。将来的には全国の主要病院における症例検索を可能にするなど大きく臨床医学に貢献できることが期待できる。

※当院では、既に病院情報システムに保存されている退院サマリーを利用するため、被験者全員から事前にインフォームド・コンセントを得ることは事実上不可能となります。研究開始後に、自身の退院サマリーデータ利用に対し同意撤回される場合は下記までご連絡ください。ただし、データを連結不可能匿名化し単語レベルに抽出したのちは、その情報のみを解析対象から除外することはできませんので、その点をご了承ください。

同意撤回に関するお問い合わせ先:大阪大学医学部附属病院医療情報部・教授 松村泰志(06-6879-5900)


 研究責任者(当施設): 松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究代表者: 鈴木隆弘(千葉大学医学部附属病院情報企画室・准教授)
 研究機関代表施設: 千葉大学医学部附属病院情報企画室
 研究実施事務局: 千葉大学医学部附属病院情報企画室
 研究実施予定期間: 〜2019年12月31日

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 新型コロナウィルス感染症がリアルワールドのがん医療に及ぼした影響:
 がん登録を基盤とした調査

 新型コロナウィルス感染症(COVID-19)がリアルワールドのがん医療に及ぼした影響を、がん登録を基盤とした調査により示す。 大阪府の新規がん患者の大部分をカバーするがん診療連携拠点病院等の院内がん登録に基づく調査を行い、診療情報データの一種であるDPCの情報を加えることで、COVID-19がリアルワールドのがん医療に及ぼした影響を示す。COVID-19のみならず、今後発生する新たな感染症に対して、がん医療提供体制のあり方を考えるうえでの科学的根拠になると期待できる。
※当院は既存情報の提供のみです。

 研究責任者(当施設): 武田理宏(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・准教授)
 研究代表者: 宮代 勲(大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター・所長)
 研究実施予定期間: 〜2030年3月31日

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