阪大医学部 医療情報学・阪大病院 医療情報部 本文へジャンプ
臨床研究
 近年、治験を代表とする臨床研究や疾患レジストリの重要性が認識され、学会や研究者グループで特定の疾患に関する臨床データを収集する活動が行われています。私たちの研究室でも複数の臨床研究を実施しています。さらに、CDISCといった標準規格を用いることで、電子カルテシステムに格納された診療データを、このような臨床研究に利用するためのシステム開発も行っています。

 骨粗鬆症罹患患者におけるビスフォスフォネート製剤の投与様式と治療効果・予後についての後向きコホート研究

 骨粗鬆症治療薬であるビスフォスフォネート製剤は、経口ビスフォスフォネートについてアレンドロネートでは週1回服用製剤が、リセドロネートでは週1回、月1回服用製剤が、ミノドロン酸では月(4週)1回服用製剤が臨床応用されており、同効薬でもその服用様式は様々である。そこで、服用様式ごとに得られる治療効果が異なるかどうかを、病院情報システムに保存されている診療情報を利用して検討する。また、院内診療情報データベース(Data-Warehouse:DWH)に格納された文書情報から観察項目を機械的に抽出評価する手法やその妥当性に関して検証を行う。

※本研究では既に病院情報システムに保存されている診療情報を利用するため、被験者全員から事前にインフォームド・コンセントを得ることは事実上不可能となります。研究に関わる個人情報は対応表を用いて管理することで保護されます(研究対象者のデータから氏名等の個人情報を削り、代わりに新しく被験者番号をつけて匿名化を行います)。研究対象者と被験者番号を結びつける対応表は、外部に漏れないように、ネットワークから切り離されたコンピューターを使用して外部記憶媒体(USBなど)に記録する、あるいは筆記等による紙媒体に作成し、鍵をかけて厳重に保管します。また、研究開始後に、自身の診療データ利用を拒否される場合は下記へご連絡ください。

同意撤回に関するお問い合わせ先:大阪大学医学部附属病院医療情報部・教授 松村泰志(06-6879-5900)


 研究責任者: 松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究実施施設・事務局: 大阪大学大学院医学系研究科 医療情報学
 研究実施予定期間: 〜2019年3月31日

 詳細はこちら(PDF)


 検体検査結果によるがん早期診断支援システムの構築

 がんの治療成績向上には早期発見が最も効果的である。しかし、膵癌や胆嚢癌など、初期には症状が出にくく、発見が遅れるがんが少なくない。大阪大学医学部附属病院では1995年より病名、検体検査結果は病院情報システムに登録され、二次利用が可能である。本研究ではがん患者と非がん患者の血液検査データをデータマイニングする事により、がん早期発見を可能とする判別ルール抽出を目的とする。

 データマイニングで得られた判別ルールは複雑であり、人間の思考にあてはめる事は困難である。そこで得られた判別ルールを病院情報システムに組み込み、がんを疑う血液検査結果が得られた場合は、電子的に精密検査を促す警告を出すシステム構築を目指す。癌患者と非がん患者について、連結可能匿名化し、対応表を切り離した状態で、分析処理する。


 研究責任者: 松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究実施施設・事務局: 大阪大学大学院医学系研究科 医療情報学
 研究実施予定期間: 〜2020年3月31日


 CBC検査結果による疾患診断システムの構築

 末梢血検査(CBC)は通常診療の際に、血液学的疾患の有無や各種病態の評価を行うために行われる検査である。大阪大学医学部附属病院(阪大病院)では1日約1,200件測定している、依頼件数の多い検査項目の一つであり、日々膨大なデータが蓄積されている。阪大病院臨床検査部で使用している末梢血検査測定機器では、臨床診断に必要な血球数測定や白血球分類、異常細胞検出を行っているが、同時に、現在臨床診断には用いられていない多数の血液細胞データが測定されている。これらのデータと、患者の疾患情報などのデータを用いて、診断、治療効果の予測やイベント発生の予測モデルの構築を試みる。検査結果および患者情報について、連結可能匿名化し、対応表を切り離した状態で、分析処理する。


 研究責任者: 松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究実施施設・事務局: 大阪大学大学院医学系研究科 医療情報学
 研究実施予定期間: 〜2020年3月31日


 多施設統合退院サマリーデータベースの臨床応用

 本研究は、複数の施設・団体から退院サマリーや症例報告を電子的に抽出し、テキストマイニング技術によって共通の文書ベクトル空間を構築し、疾患の自動判定や類似症例の検索を初めとした様々な応用を可能とする大型データベースの構築を目的とする。
 地域あるいは疾患によってサマリーの記載内容には違いがある。同一施設内の比較で検出された差異が他の施設でも同様に検出された場合は疾患による違いの影響が強く、いくつかの施設に限定される場合は施設の特性による影響が強く、単一施設に限定される場合は個別の要因による影響が強いと判断できる。多施設のデータを集積することで疾患としての全体像を提供し、それと自施設との差異を明らかにして自らの特徴を知ることで、医療の品質管理や研修医の指導にも活用できる。将来的には全国の主要病院における症例検索を可能にするなど大きく臨床医学に貢献できることが期待できる。

※当院では、既に病院情報システムに保存されている退院サマリーを利用するため、被験者全員から事前にインフォームド・コンセントを得ることは事実上不可能となります。研究開始後に、自身の退院サマリーデータ利用に対し同意撤回される場合は下記までご連絡ください。ただし、データを連結不可能匿名化し単語レベルに抽出したのちは、その情報のみを解析対象から除外することはできませんので、その点をご了承ください。

同意撤回に関するお問い合わせ先:大阪大学医学部附属病院医療情報部・教授 松村泰志(06-6879-5900)


 研究責任者(当施設): 松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究代表者: 鈴木隆弘(千葉大学医学部附属病院情報企画室・准教授)
 研究機関代表施設: 千葉大学医学部附属病院情報企画室
 研究実施事務局: 千葉大学医学部附属病院情報企画室
 研究実施予定期間: 〜2019年12月31日

 詳細はこちら(PDF)


 病院情報システムのデータによる薬剤有害事象発生の調査

 病院情報システムのデータを利用して、薬剤等の治療の安全性評価を行うための方法について検討し、各薬剤について指定する副作用の発生率の算出を試みる。 2000年1月1日から2019年12月31日までの大阪大学医学部附属病院受診患者を対象に、処方、注射、放射線治療等の治療データと検体検査結果、経過記録、画像レポート等の有害事象が記録されているデータを収集する。有害事象の発生を検出し、有害事象発生時前後に投与されていた薬等の情報から、各薬剤等の有害事象発生率を算出する。 名古屋大学医学部附属病院等の他院でも同様の処理をし、抽出データ、集計データを集めて比較、集計する。


 研究責任者: 松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究機関代表施設: 大阪大学医学部附属病院
 研究実施予定期間: 〜2019年12月31日


 電子カルテデータベースを用いた下肢深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症に関する網羅的疫学研究

 深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症は多くの診療科にわたって問題になる疾患の一つである。そのため本疾患の発生頻度から適切な治療法、長期予後に至るまで全体像はまだ不明な点が多い。本研究の目的は、電子カルテデータベース、及び各部門システムを用いて下肢深部静脈血栓症、肺血栓塞栓症に関する網羅的疫学研究を行うこととする。患者情報は連結可能匿名化した上で、データベースに登録する。


 研究責任者: 原 正彦(大阪大学医学部附属病院未来医療開発部・特任研究員)
 研究機関代表施設: 大阪大学医学部附属病院 未来医療開発部
 研究実施予定期間: 〜2019年12月31日

 詳細はこちら(PDF)


 がん患者の臨床検査値を用いた新規予後予測法の探索

 日常的に測定する臨床検査値を観察し、短期の予後予測を可能にする新しい手法を探索することを目的とする。がんの患者を対象とし、年齢、性別、身長、体重、診療科、がんの原発部位、Stage、手術部位、退院までの日数、化学療法、放射線療法、輸液・栄養療法、食事摂取割合、主な合併症、併用薬、副作用、転帰、臨床検査値[Hb、Ht、CRP、AST、ALT、LDH、Alb、血清クレアチニン(Cr)、BUN、血清電解質、血算(RBC、WBC、PLT、リンパ球割合)など]と死亡日を調査する。臨床検査値については、死亡時まで、あるいは治療開始から最大5年後までの推移を調査する。調査項目の値と2週間以内の予後との関連を、COX回帰分析など単変量解析および多変量解析を用いて解析する。調査に際し、患者識別情報を削除し別の番号の識別子でデータを管理し、対応表を厳重に保管する。


 研究責任者: 上島悦子(大阪大学大学院薬学研究科医療薬学分野・教授)
 研究機関代表施設: 大阪大学医学部附属病院
 研究実施事務局: 大阪大学大学院薬学研究科附属実践薬学教育研究センター医療薬学教育研究ユニット
 研究実施予定期間: 〜2019年12月31日

 詳細はこちら(PDF)


 悪性黒色腫レジストリ

 将来行われる悪性黒色腫を対象とした臨床試験が滞りなく推進するようにするために、悪性黒色腫の疾患レジストリを行う。悪性黒色腫の臨床試験を計画する際に、被験者候補の数が正確に推定できると、無理のない計画が立ち、予定通りに推進することができる。


 研究責任者: 松村泰志(大阪大学大学院医学系研究科医療情報学・教授)
 研究機関代表施設: 大阪大学医学部附属病院
 研究実施事務局: 大阪大学医学部附属病院 未来医療開発部データセンター
 研究実施予定期間: 〜2018年6月30日

 詳細はこちら(PDF)


 CDCS (Clinical study Data Collecting System)

 電子カルテにおいて診療データを記録する際、入力テンプレートを用い構造化データとして作成することで、診療データを2次利用することが可能になる。臨床研究における症例報告書は多くの場合、転記作業によって作成されているが、このようにしてデータを収集し、それを流用することで電子症例報告書(eCRF; electronic Case Report Form)の作成を半自動的に行うシステムを開発した。

 また、このシステムでは eCRFを PDF形式および CDISC標準の ODM (Operational Data Model)形式で出力している。これらのデータをセキュアなネットワークを介してデータセンターに送信することで、様々なシステムで作成されたeCRFを容易に収集することを実現しており、上記の臨床研究などで実際に活用している。


 がん診療均てん化のための臨床情報データベース構築と活用に関する研究

 本研究の目的は、院内がん登録とDPCデータのリンクデータを作成した、採録負担の少ない方法で診療実態の把握や標準診療実施率(QI)の算定・参加施設へのフィードバックなどを行いQIシステムの妥当性の検証・構築を行うこと、構築された院内がん登録-DPCリンクデータについてデータベースを構築し、がん対策、がん診療の向上のために有用な解析を行うとともに、その他の活用方法を検討することの2点である。患者情報は連結可能匿名化した上で、研究機関代表施設の国立がん研究センターがん対策情報センターがん臨床情報部に提出する。対応表は厳重に保管する。
研究開始後に、自身の診療データ利用を拒否される場合は下記へご連絡ください。

 連絡先: 大阪大学医学部附属病院医療情報部・教授 松村泰志(06-6879-5900)
 研究実施予定期間: 〜2019年6月30日


 大阪府のがん診療拠点病院の診療の質の測定

 がん医療の均てん化に向けて、大阪府のがん診療拠点病院のがん診療の質を測定することを目的とする。厚労省に定期的に提出するDPCデータと大阪府の地域がん登録資料とをリンケージし、診療ガイドラインで推奨されている標準的治療の各拠点病院での実施割合などの診療の実態を明らかにする。さらに、高齢または併存疾患を有するがん患者における標準的治療の有効性を検証する。患者情報は連結可能匿名化した上で、研究機関代表施設の大阪国際がんセンターがん対策センター政策情報部に提出する。対応表は厳重に保管する。
研究開始後に、自身の診療データ利用を拒否される場合は下記へご連絡ください。

 連絡先: 大阪大学医学部附属病院医療情報部・教授 松村泰志(06-6879-5900)
 研究実施予定期間: 〜2020年3月31日


 (過去に実施した臨床研究はこちら


ページトップに戻る

   Copyright(C) 2016-2017 Dept. of Medical Informatics in Osaka University Hospital.