胎児治療説明
Fetal surgical interventions胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術(FLP)
胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術(FLP)とは
双胎妊娠の中には双胎間輸血症候群を発症することがあります。双胎間輸血症候群は赤ちゃんが臍帯を通じて胎盤の血液をやりとりしていますが、一絨毛膜二羊膜双胎(同じ性別、同じ顔など)では胎盤が一つのため、胎盤においてふたりの赤ちゃんの血管のつながり(吻合血管)があります。その結果胎盤の吻合血管により赤ちゃん同士に血流のアンバランスが起こってしまいます。一絨毛膜二羊膜の約10%に起こるとされています。この双胎間輸血症候群が起こると、一方の赤ちゃんは貧血・低血圧・羊水過小・胎児発育不全が起こり、片一方の赤ちゃんは多血・高血圧・羊水過多・胎児水腫などが起こります。発症すると予後が悪くなるため、麻酔下に超音波ガイド下で子宮内にカメラを挿入し胎盤上にある両児間の吻合血管をレーザー凝固焼灼し、お互いの赤ちゃんの血管の行き来をなくします。これをFLPと言います。
対象疾患
妊娠16週から28週未満
双胎間輸血症候群
起こりうるリスク、フォローの仕方
【リスク】
早産、前期破水、出血、常位胎盤早期剥離、肺水腫
【フォロー】
手術後入院安静し子宮収縮剤を投与し、状態をみながら安静度をあげていく。赤ちゃんの様子は退院まで毎日超音波などで確認していく