胎児治療説明

Fetal surgical interventions

胎児輸血

胎児輸血とは

血液型不適合妊娠やパルボウイルスB19感染(リンゴ病)などによって胎児貧血が起こることがあります。重症の胎児貧血では、胎児水腫・胎児死亡を起こすリスクがあるため、胎児輸血を行います。

対象疾患

胎児貧血

具体的な方法

母体の腹壁を穿刺する場所に局所麻酔をおこない、超音波ガイド下に臍帯静脈を穿刺します。

状況によって胎児の腹腔内に輸血することもあります。感染症のないことが確認された、母体血漿との交差適合試験で適合したO型の血液を用い、計算して決めた量を輸血します。

起こりうるリスク、フォローの仕方

頻度は少ないですが、胎児心拍異常、穿刺部の出血や胎児の心不全、感染、前期破水、早産などの合併症があります。
胎児貧血は進行性であるものが多く、分娩までに胎児輸血を複数回必要とすることもあります。胎児水腫の有無や胎児の脳血流を評価しながら胎児貧血の進行の程度をフォローします。