胎児治療説明

Fetal surgical interventions

シャント術

シャント術とは

胎児の体腔内に貯留した水分を、その腔と羊水腔をシャントすることで羊水腔へ逃すことを目的とした胎児治療です。
胸腔-羊水腔シャント術は、心臓と肺への圧迫を除き胎児水腫の改善と肺低形成の予防を目的としています。
膀胱-羊水腔シャント術は、膀胱内に貯留した尿を身体の外に出して、腎機能障害や羊水過少による肺低形成を予防することを目的としています。

対象疾患

胎児胸水 下部尿路閉塞(LUTO)

具体的な方法

胎児胸水に対しては、超音波ガイド下で母体腹壁から子宮内の胎児胸腔内と羊水腔を結ぶカテーテルを挿入して、胸水を持続的に羊水腔内へ排液します。胸水が羊水腔に排液されると、肺がふくらみ、心臓が大きくなります。やがて徐々に胎児水腫は改善していきます。

下部尿路閉塞に対しては、超音波ガイド下で母体腹壁から子宮内の胎児膀胱内と羊水腔を結ぶカテーテルを挿入して、膀胱に貯留した尿を持続的に羊水腔内へ排液します。

起こりうるリスク、フォローの仕方

直後には子宮収縮が増強したり、破水したりすることがあります。またチューブが胎動や胎脂などで閉塞したり、抜けてしまったりすることもありますので、術後はしばらく詳細な母児の観察が必要です。