病院長挨拶

Futurability 待ち遠しくなる未来へ。

大阪大学医学部附属病院 病院長 土岐 祐一郎

大阪大学医学部附属病院(阪大病院)の理念は「良質な医療を提供すると共に、医療人の育成と医学の発展に貢献する」です。3つの柱の中で一番先に来る「良質な医療の提供」とは一体どのような医療でしょうか?大学病院では最高のスタッフと最新の医療機器をそろえ最も成績の良い医療、他ではできない医療を提供することができます。患者さんの求める大学ならではの高度な医療の提供が最大の目的です。更に現代の医療においてはより高い安全性を求められます。自動車もスピードを競うのではなく安全性を競う時代になりました。医療が複雑化、高度化するにつれて安全性を確保するために様々な努力が必要になります。阪大病院は全国の大学の中でも医療安全担当校として日本の医療安全をリードする立場にあります。患者さんには安心して高度な医療を受けていただくことができます。性能、安全性に続く、第3の良質の要素は快適性です。患者サービス部門では患者さんの声を反映させた様々な試みを行っています。しかし、快適性についてはまだ患者さんを十分満足させていないと感じています。一つの問題は病院の診療規模の急速な拡大です。本院は吹田に移転して27年になります。ベッドの数は増えていないので同じように見えるかもしれませんが、そこで行われる検査の数、手術や内視鏡・放射線治療の数、そして職員の数は倍以上に増えています。良質な医療を提供し続けた結果、患者さんからの評判はよくなり質だけでなく、量も増えてくるのは有難いことです。しかし、診察待ちの時間や駐車場の混雑で多大なご迷惑かけており、決して良質の快適性とは言えないところもあります。そこで本院では、病院再開発として新しい統合診療棟の建設に取り組んでおります。工事は2021年に始まり2025年の運用開始を目指す計画です。具体的な建物の規模や工事の期間等が決まりましたらお知らせいたしますが、工事期間中には患者さんには更なるご迷惑をおかけします。ご容赦くださいますよう、よろしくお願いいたします。

次に来るのは「医療人の育成」です。大阪大学は医師のみならず、医学部保健学科では看護師、検査技師、放射線技師、また薬学部では薬剤師と様々な医療職の育成を行っています。また、医療が高度化したことにより「卒業後は現場で仕事を覚える」では済まない時代になってきました。各種専門医や技術認定医、認定看護師など全ての業種で、働きながら勉強する社会人教育が必要になってきました。本院は大阪地区の社会人教育の中心として多数の地域の病院と連携しています。社会人教育を通じて、大阪地区全体の医療を担っているといっても過言ではありません。

最後に来るのが「医学の発展」です。大阪大学は学問において日本で、世界でトップを競う大学です。本院は「臨床研究中核病院」として新しい医療を創出すべき大学病院として認定されています。未来医療開発部では大学と研究者が一体となって再生医療などの先進的な医療を開発しています。このほかにも「がんゲノム医療中核拠点病院」「AIホスピタル」と未来の医療を担う仕事を国から任されています。先に述べた病院再開発においても、現在の医療のみならず将来の医療を開発することを目的としています。病院再開発のキャッチフレーズは「Futurability 待ち遠しくなる未来へ。」です。

患者さんや地域の皆さんの信頼と期待に応える病院となるように職員一同頑張ってまいります。



■本院の歴代病院長はこちらをご覧ください。⇒阪大病院・歴代病院長.pdf