対象疾患説明

Conditions we treat

心疾患
胎児の心臓について

正常の心臓構造と血液循環

血液には、酸素濃度が高い動脈血と、酸素濃度が低い静脈血の2種類があり、通常これらは心臓の中では混ざりません。
正常の心臓には4つの部屋があり、左右の心房(右心房、左心房)と左右の心室(右心室、左心室)があります。右心室からは肺動脈という肺へ静脈血を送る血管、左心室からは大動脈という全身へ動脈血を送る血管が起始しています。右心房には上半身から上大静脈が、下半身からは下大静脈が還流します。左心房には肺から4本の肺静脈が還流します。

心臓が拡張すると全身から静脈血が右心房を経由して右心室に流入し、また肺から動脈血が左心房を経由し左心室に流入します。心臓が収縮すると静脈血が肺動脈を通過して肺へ流れ、また動脈血は大動脈を通過して全身に流れることで血液は循環し、全身の臓器や組織に酸素を届けます。
胎児期では2つの血液の交通が存在し、一つは動脈管と呼ばれる血管で、大動脈と肺動脈の間を結ぶ交通を形成しています。もう一つは卵円孔と呼ばれる穴で左右の心房の間に交通を形成しています。通常は生後数日して動脈管は閉鎖し、卵円孔は数週から数ヶ月かけてゆっくりと閉鎖します。心疾患によってはこれらの開存を必要とする場合があります。