視察・調査・研修

2012年度

国内視察等

日時 2013年3月7日
テーマ 第2回 検査・処置・手術安全セミナー 『院内の転倒・転落事故対策を考える』 (ホテル フロラシオン青山)
主催者 認定病院患者安全推進協議会
概要  このセミナーは、院内の転倒・転落事故の対策について、新しい取り組みとその効果、及び今後の課題が紹介されました。
 紹介があった5施設の取り組みは、入院後速やかに医師も含めた医療チーム全員で患者の転倒転落に関わる情報の共有とアセスメントを行うこと、家族も交えて患者の生活状況を確認して具体的な対策をケアの観点から立案すること、危険行動の周知ポスターや転びやすさ自己チェックリストの使用、転倒予防を教育する患者向けDVDの作成などでした。
 転倒・転落事故の予防には、「環境的要因」と「患者個別要因」両面への対策が必要であり、個々の施設が限られたリソースを有効に活用して施設全体で取り組むことが重要です。
 また、入院生活が自宅とは異なる環境であるなど具体的なリスクについて患者への周知活動を継続することや、スタッフのみではなく患者・家族へのアプローチの工夫がポイントでした。
日時 2013年2月18日
テーマ 第21回 鉄道安全シンポジウム (ホテルメトロポリタン池袋「富士の間」)
主催者 東日本旅客鉄道株式会社
概要  今回のシンポジウムのテーマは『「事故・事象の教訓をつなぎ、お客さまが死傷する事故を防ぐ」~一人ひとりが自分のこととして考え、行動するために~』でした。冒頭に、過去の教訓が十分に活かされず、繰り返し発生した事故が、鉄道、医療、航空を例に映像で紹介されました。
 柳田邦男氏の基調講演「組織事故の視点-リスク情報の水平展開と安全文化の構築-」では、情報の水平展開の失敗によって繰り返された過去の事故事例の紹介や、その背景要因、教訓を活かすために考慮すべき視点(①リスクの確率論に振り回されない②起こる可能性のある事象は必ず起こると考える③おざなりな対応はしない④重要な情報をふせない⑤機敏に判断できる事故・災害のプロを社長のスタッフの位置に置く、他)の解説がありました。
 引き続き、同社およびパートナー会社等の代表部署より、過去の事例を自職場で活かすために実践しているグループ討議等の事例報告、また、同社安全研究所所長の楠神健氏より、開発中の『「他山の石」置き換え支援ツール』の紹介が行われました。 本ツールは、ヒューマンエラーが発生する仕組みを学びながら、他部門のインシデント事例を自分や自部署に置き換えて、対策立案をチームで行うワークシートツールであり、医療分野における事例の有効活用の在り方を考えるための貴重なヒントを得ることができました。
日時 2013年2月17~18日
テーマ National SUN
主催者 レールダルメディカルジャパン
概要  今回参加させていただいた、「National SUN Meeting」は、おきなわクリニカルシミュレーションセンター(ちゅらSIM)の設立1周年、またレールダルメディカルジャパン創立15周年を記念した、大規模シミュレーションイベントでありました。ちゅらSIMは3階建ての建物で、中にはシミュレーションルーム、観察室、シミュレーションラボなどがあり、単一職種のスキル向上、チーム医療、安全管理、感染管理などのトレーニングが可能であり、非常に魅力的な施設でありました。
 海外招待講演では、シミュレーション教育の効果、及び有用性について学ぶことができました。各分科会では、実際にシミュレーターを用いたトレーニングやグループワークを受けました。また、ファシリテーターとしてのスキルアップトレーニングを行うこともできました。シミュレーション教育の重要性と有用性を学ぶことができた、非常に有意義な二日間でありました。
日時 2012年11月28日
テーマ e-Learning Awards 2012 フォーラム(秋葉原UDX)
主催者 eラーニングアワードフォーラム実行委員会 / フジサンケイビジネスアイ
概要  e-Learning Awards 2012 フォーラムの第9回日本e-Learning大賞受賞者プレゼンテーションに参加しました。
  今年度は、学校、企業、学習塾、医療系大学が受賞され、携帯やスマートフォン、iPad等を用い、学習者の環境に合わせて学習デバイスを選択できるeラーニングが増えていました。また、テキストや動画教材だけでなく、シナリオを基に作成したシミュレーションコンテンツや、モチベーションを上げるためにゲーミフィケーションを活用したコンテンツ等も多くあり、飽きずに楽しく学ぶことができ、学んだ知識や技能をすぐにアウトプットすることができるアイデアや仕組み作りが重要であることを学びました。
日時 2012年9月21日~22日
テーマ 平成24年度医療安全推進のためのアドバンスコース(東京ファッションタウンビル)
主催者 医療の質・安全学会
概要  医療安全管理者養成研修を修了した医療安全管理者のスキルアップを図るセミナーに参加しました。
  吉川肇子先生(慶應大学商学部教授・社会心理学)の講義では、リスク・コミュニケーション、中でも危機発生時のクライシス・コミュニケーションについて学びました。情報を受ける側の価値観に配慮したコミュニケーションが特徴で、情報提供における技術の必要性が示されました。
 河野龍太郎先生(自治医科大学医学部メディカルシミュレーションセンターセンター長・医療安全学教授)の講義では、事故の構造に基づく分析手法であるImSAFERを用いて、複雑な事例を分析する演習を行い、背後要因の構造の理解が深まりました。背後要因の推定には、人の行動のパターンを理解し、当事者がおかれた状況になりきってエラーの要因を探ることがポイントでした。
日時 2012年7月27日
テーマ トランスプロフェッショナル・リテラシー科研 第3回拡大ワークショップ「基礎研究の社会還元‐研究成果の社会化・実用化に伴う多様なリスクとその対応‐」(ホテル阪急エキスポパーク「星雲の間」)
主催者 大阪大学大学院法学研究科 トランスプロフェッショナル・リテラシーを備えた専門家養成基盤に関する模索的研究(科研費基盤研究(A)[課題番号23240105])事務局
概要  トランスプロフェッショナル・リテラシー科研は、医師やエンジニア、法曹等の高度専門職が専門的な領域だけに閉じこもるのではなく、領域横断的な一定のリテラシーを備えることによって、互いのコミュニケーション・ギャップをできる限り少なくし、異業種、異分野の間で日常的に連携協力しながら創造的に仕事を行っていく環境を、わが国において創出することを目指した研究教育プロジェクトです。
  第3回拡大ワークショップでは、鈴木寛氏(大阪大学招聘教授・参議院議員・前文部科学副大臣)や、多領域の研究者、企業家等が一般参加者と共に、理工学系や医学系の研究成果を社会化・実用化する際のボトルネックや打開策について「熟議」というディスカッション方式を用いて検討しました。討議により抽出されたボトルネックは、最終的に「戦略性の不足」、「リーダーシップの不足」、「固い教育システム」、「社会の理解不足・無責任」、「不透明・恣意的な社会や法制度」、「イノベーションへのサポート不足」の6つのカテゴリに分類されました。今回は討議時間が十分に取れなかったため、解決策の具体的な提案やまとめには至りませんでした。
日時 2012年7月26日
テーマ マイアミ大学Gordon Center for Research in Medical Educationにおける効果的シミュレーション教育について(東京グリーンパレス)
主催者 レールダルジャパン
概要  長年にわたりシミュレーション医学教育の研究や開発に関わるIssenberg氏(マイアミ大学ゴードンセンター アシスタントディレクター)によるGordon Center for Research in Medical Educationにおける効果的シミュレーション教育に関する講演会に参加しました。Gordon Centerは、マイアミ大学の医療技術向上の研究拠点として、医学生、医師、看護師等に対しシミュレーション医学教育を実施している施設です。
 シミュレーション教育は、医療現場における問題解決能力を養う方法として、実際と似た状況下でコンピューターやシミュレーショターを使って模擬的な経験を積み、実務だけでは得られない多様なスキルを習得するために用いられます。
  効果的なシミュレーション教育が成立するのは、トレーニングリソース(シミュレータ)、トレーニングされたシミュレーションインストラクター、施設の3点がそろった時であることが示されました。効果的なシミュレーション教育には反復したトレーニングが不可欠であり、計画的にトレーニングを行い、適切な難易度かつ明確なタスクを設定し、有益なフィードバックを行うことが重要であることがキーポイントでした。
日時 2012年7月10日
テーマ シミュレーション講演会(横浜市立大学附属病院)
主催者 横浜市立大学附属病院麻酔科
概要  横浜市立大学附属病院麻酔科により開催されたAndres Navedo先生(米国ハーバード大学シミュレーションセンター)の講演会に参加しました。
  講演では、米国においては、麻酔科医の専門医資格更新の際に、シミュレーションがとりいれられているが、その趣旨は包括的評価ではなく形成的評価の一部であり、各受検者が今後トレーニングすべき内容の同定が目的であるとのことでした。また、シミュレーションをテクニカルなエリアにとどめることなく、医療従事者のエラーやエラーへ対処等のヒューマンファクターズを考慮し、エラーに至った知識・思考のフレームワークを知ることが重要であると述べられました。さらに、専門領域の異なる医療従事者のコミュニケーションに関する短いビデオクリップをもとに、このような視聴覚教材に基づき現場の状況を想像し、ディスカッションを行うこともシミュレーションであるということが示され、本プロジェクトの教材作成のヒントになりました。
日時 2012年6月7日
テーマ 第5回NOTSS研究会(ホテルモントレ神戸)
主催者 NOTSS (non-technical skills for surgeons)研究会
概要  NOTSS(Non-Technical Skills for Surgeons、外科医のためのノンテクニカルスキル)を日本国内において導入し、また、評価を行うことを目的とする第5回NOTSS研究会に参加しました。NOTSSを臨床における導入と評価について、特に外科系の次世代教育にとりいれることの重要性や、ディブリーフィングにおける利用可能性などが指摘されました。